軽音楽部

部員へ

 ホームページリニューアルを機に,現部員と将来部員になる生徒たちに伝えておかなくてはならないことを書き残します。私がずっと顧問を続けられれば良いのですが,数年後には転勤があるでしょう。現在,公立高校の教員は同じ学校に長くいることができない制度になっているためです。部員には口頭で伝えているつもりですが,いつか私が転勤し,軽音部設立時の先輩や顧問の思いが部員たちに伝わらなくなったら,おそらく軽音楽部は今のように活動できなくなるでしょう。楽しく,充実した高校生活が送れるのは当たり前のことではなく,先輩や顧問が築き上げてきた部分が多いのだと理解し,不断の努力をしてほしいのです。
 私が牛久高校に赴任した7年前,機材はおろか部室すらない状況でした。部員が実際は何人いるかも不明で,毎年,文化祭の時に機材を借りて1回ライブをするだけの部活だったのです。他の先生方の軽音楽部に対する評価もあまり良いものではありませんでした。そんなとき,当時の副部長が真剣に取り組みたいので,協力してほしいと言ってきました。彼の真剣なまなざしを信じて,いっしょに部室を探し,運動部の先生方の協力を得て,宿泊施設である沼風会館の一室を借りられることになったのです。当時の部員の中で協力的な生徒が練習用ギターアンプを寄贈してくれたり,電子ドラムを貸してくれたりして,小さな部室に集まって演奏をすることができるようになりました。その翌年,立ち上げに協力してくれた3年生が卒業し,それを見ていた後輩たちが部の運営をするようになりました。そして,学校の協力を得て100Wのギターアンプ2台とベースアンプ1台,ドラムセット,最小限のPA機材を買ってもらうことができました。それから徐々に機材を増やし,今の軽音楽部のように体育館や牛久市生涯学習センターの大ホールでライブができるようになったのです。
 しかし,立ち上げから7年近く経ち,当時を知る生徒はもういません。みんな,部室や機材があって,練習やライブが自由にできることが当たり前になっています。それはそれで良いことなのですが,先輩や顧問が一生懸命努力し,守り続けてきたことがあるからなのだということを理解してください。特に初期の部員たちは,いろいろな先生方に頭を下げ,後輩を指導してきました。それを忘れずに保ち続けることができれば,牛久高校軽音楽部はますます発展していくことと思います。

                                 2015年9月1日 顧問